個人のライフプランが100人いれば100通りあるように、企業を取り巻くリスクには業種業態によってさまざまとなります。ただ、ある程度業種業態によってのリスクの想定は可能となります。
今回の記事では、企業にはどのようなリスクがあって、どのような対応策があるのか。
保険という観点からリスクの備えを考えることも必要ですが、保険も万能ではありません。保険以外でのリスクに対する対応策もお伝えできればと思います。
企業を取り巻くリスクにはどんなものがあるのか?
ここでは、一般的な企業を取り巻くリスクを考えていきたいと思います。業種ごとのリスクの捉え方はまた別の機会に記事にしたいと思いますので、ご要望あればコメントいただけると嬉しいです。
では、企業を取り巻くリスクにはどんなものがあるのか?大きく3つに絞ってお話ししていきます。
- 企業資産に関わるリスク
- 従業員に関わるリスク
- 事業運営上のリスク
その他のリスクに関しては最後にまとめさせて頂きます。
企業資産に関わるリスクとは
実店舗や工場などオフィスを持つ企業にとって、建物などの固定資産は欠かせない企業資産になります。当然建物の中に収容されている、パソコンや事務機器など什器備品や機械設備なども企業資産になります。
企業資産にとって想定できるリスクとしては、火災・落雷・風災雹災・地震等自然災害による損害がまず考えられます。また、業種にもよりますが、製品原材料などは保管中のリスクや輸送中のリスクも想定できますね。
企業が所有する自動車も企業資産になりますが、建物や機械設備のように車両損害もありますが、自動車使用の事故による第三者損害も想定できます。
従業員に関わるリスクとは
従業員の業務中、通勤中のケガのリスクや雇用関係の不当行為によるリスクが存在します。昨今、働き方改革などによって、従業員にとって働きやすい職場環境づくりを必須項目となっております。
この従業員に関わるリスクを軽んじてしまうと大きな損害にもなりかねないので、リスクを認識することがとても重要ですね。
事業運営上のリスクとは
事業を行う上でのリスクには大きく3つ存在します。
- 第三者への賠償リスク
- コストに関するリスク
- 経営者に関わるリスク
第三者への賠償リスクには、建物施設の不備による来訪者や通行人への賠償、足場が倒れて通行人に怪我をさせたとかはニュースでも目にしたことはあると思います。
コストに関するリスクには、取引先の倒産による売上の減少や債権の回収不能、リコール、事故によるブランドイメージの毀損などがあります。
不測の事態があった際に事業活動を継続できるようコスト(損失)の平準化を図ることが重要となってます。
最近では、サイバー攻撃による情報漏洩や他人の業務の休止・阻止に起因する賠償リスクなどが注目されています。
また、経営者に万が一があったときに事業活動を継続することは可能ですか?
中小企業だとまだまだ社長の影響力が大きかったり、現場に出て営業してるケースもあると思います。万が一があっても揺るがない企業体制づくりも非常に重要な要素になってきますね。
企業を取り巻くリスクに対応する保険
さまざまなリスクに対して保険でどのように備えることができるのか?当然保険は万能ではありませんが、リスクを転嫁したり軽減することが可能となります。
保険にかかるコストと損害の規模や頻度を鑑みて、費用対効果のいいリスクへの備えを選択することが大切です。
企業資産に関わるリスク
補償の範囲をどこまで付保するかで保険料負担も変動します。昨今、想定外の自然災害の増加で見直しを考えた企業も多いのではないでしょうか?僕の地域でも、起きるとは誰も予想しなかった水災を原因として多くの企業が損害を受けました。中には事業活動の継続を断念せざるを得ない企業もあったかと思います。
従業員の運転リスクは個人の自動車保険より高いイメージあります。結局自分の車でないと安全運転意識も低くなりがちです。保険で備えるにも事故を起こせば保険料は上がるし、安全運転教育も必須となってますね。ただし、従業員のマイカー通勤などの場合、通勤途中の事故は企業側にも責任を問われる場合あるので、自動車保険の加入状況を把握しておくことをお勧めします。
その他、製品や原材料など保管中、輸送中の損害を補填する保険もあります。単純に製品の基本補償するだけでなく、業種業態に合わせたリスクを把握することが重要です。
大事な補償が抜けてて余計な補償が付保されてるってこともあるので、どのようなリスクが想定できるか洗い出ししてみるのもいいですね。
従業員に関わるリスク
業務中のケガや死亡事故などに備える保険があります。割引制度も各保険会社によって違いはありますし、付随した特約なども各保険会社によって特色はあります。
例えば、セクハラやパワハラで訴えられた場合の補償や不当解雇による訴訟なんかに備える補償もあります。ここで注意して欲しいのは、「うちは大丈夫」とか「そんな従業員はクビだ!」と思ってしまってる経営者や会社幹部の方。
働き改革で従業員が働きやすい職場環境を作るのは企業として義務と言っても過言ではありません。
リスクの可能性と万が一が起きた時の事業活動への影響度合いを見極め、保険で備えるか内部留保で備えるか判断してみてください。
事業運営上のリスク
事業活動する上で避けられないのが賠償リスク。リスクがないように事業活動を行うのは当然基本としているとは思いますが、それでも起きてしまうことがあります。
業務中の第三者への損害や業務に起因して与えてしまった第三者への損害などは保険で備えることは可能です。保険会社によってプランは変わりますが、あなたの企業の想定できるリスクをしっかりと把握し、漏れのない補償で備えることが大切です。
最近はパッケージ化してきて漏れることは少ないかもしれませんが、保険料を抑えようとただ安くしてしまうと、いざというときなんの役にも立たないということが起きてしまいます。それだと結果的に割高な保険になってしまうので気をつけて下しさい。
また、問題が起きる可能性をいかにゼロに近づけられるか、二次損害をどれだけ防げるかにも注力が必要です。日頃から予防の意識を持ち、予防に取り組むことがとても大切です
企業の資産を守る・殖やす・遺す
ここまで保険での備えを中心に話してきましたが、冒頭伝えたように保険は万能ではない、ということ。
保険以外で備えるには、借入の枠を抑えておくことや経営セーフティ共済で備えておいたりとありますが、同時に現金化できる資産をどれだけ持ってるかでも安心感はかなり変わってきます。
社長や幹部個人での資産運用はしているけど、企業の内部留保は銀行においたままって企業も少なくありません。なぜ個人では資産運用しているのでしょうか?銀行に置いといても増えないから、お金に働いてもらってるわけですよね。
なのに企業のお金はそのまま働かず眠ってるってのは非常にもったいないです。もちろん資産運用とは言え、事業活動には大きな資金が動くケースもあるのでリスクの高い金融商品に預けるのは危険です。
でも資産運用じゃ経費にならずに資産計上されちゃうから
以前は生命保険を活用して、半分経費計上して最後は解約返戻金を退職金として受け取る、という手法が定番でしたが、バレンタインショック後、損金としてのパフォーマンスは低下し、そもそも超低金利の影響で貯蓄性も低いのが現実。
それこそ期中で万が一現金が必要になった場合、元本からかなり少ない金額の解約返戻金になってしまうこともあり得ます。
事業活動を永続的に発展させるため、経営者の万が一時に現金を手に入れるのは、確かに生命保険くらいにしかできない手法です。保障による備えと資産運用のバランスをトータル的に考え計画を立てていきましょう。
マインズプランニングでは、企業の資産を守りながら殖やして、次世代へ遺す支援をしています。
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