現役の保険代理店である当社が、実際に関わってきたDX化を事例をもとに分かりやすくお伝えしてます!
コロナ禍からどの業種もDX化と騒いではいますが、保険代理店業界も同じようにDX化を進めなければいけない状況です。
保険会社もDX化に向けてさまざまなシステム改定や施策を打ち出していますが、保険代理店が活用してくれないと全く無意味なものになってしまいます。
今回の記事では、保険代理店のDX化が中々進まない理由と、おすすめのツールなどを中心に、なぜ求人に困らなくなるのかを僕の体験も交えてお伝えしていきます。
DX化とは?
そもそもDX化ってなに?って話ですよね。「IT化」と何が違うの?と疑問を持つ人も多いんじゃないでしょうか。
経済産業省では、DX推進ガイドラインの中で、次のようにDXを定義付けしています。
”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのも のや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”
経済産業省HP「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」より
ビジネス用語としても定着化しつつある「DX」についてこのくらいは理解しておくようにしましょう。
では、「IT化」との違いは?
まず、IT化とは、IT導入というと既存の業務プロセスは維持したまま、その効率化・強化のためにデジタル技術やデータを活用することです。言わば、DX化は目的であって、IT化は手段であるということです。
- キャッシュレス決済システムの開発
- LINEの簡単入力でおすすめ商品の紹介
- 自社アプリから顧客の獲得 など
- Eメールやチャットツールを使用する
- クラウドストレージでデータ管理
- WEB上で書類のやり取りをする など
保険代理店がDX化できない5つの理由
保険代理店の規模にもよりますが、保険会社同様なかなかDX化が進まないのが現状です。
ここでは保険代理店がDX化できない理由を紹介します。
- 保険代理店経営者の高齢化
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保険代理店の現経営者の多くは、自分が第一線で規模拡大してきた方で絶対的決定権を持ってるケースが多いです。その分次世代への承継が遅れがちで高齢化しているため、IT化自体進んでない状況があります。
- 保険会社のシステムに頼りがち
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基本的に保険代理店の日常業務は保険会社のシステム内で行います。当然無料なので、あえて別システムを使う習慣がないんです。ただ、すべての保険代理店にとってやりたいことを網羅しているかと言うと疑問。
- 属人性の高い業種
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保険セールスと言えば、人に会って話をして仲良くなって保険契約に至る、なんてイメージ持つ方も多いですよね。それぞれセールスのスキルや人脈に頼る営業スタイルがスタンダードです。
属人性が高い分、IT化を進めると顧客との関係性が薄くなってしまうのではないか、ネット保険との差別化を図れないと感じてしまうところに原因があります。
- 忙しくて新しいことに取り組めない
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保険セールスの場合、一人でトップセールスとしてやってる保険代理店と組織で活動している保険代理店とに分かれます。一人でやってると当然全部の業務を一人でやるので忙しいですよね。組織にしても現場は忙しいとIT化だDX化だと考える余裕なく、取り組むことが難しい現状あるかもしれませんね。
- なんだかんだ昔と比べるとだいぶ楽
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当社は保険代理店として35年以上にわたり業務に携わっています。それこそ35年前は手計算で保険料算出し、紙資料に手書きで書き込んで、署名捺印をもらって、保険会社に提出していました。計算はパソコン、紙資料もペーパーレス化、サインレスだったりと進化していっています。
昔に比べればだいぶ楽になったなぁで満足している保険代理店も多いんじゃないでしょうか。
僕の使ってるツール
当社は保険代理店の中でも(関わってきてる中での感想です)IT化はいち早く取り入れていたため、現在のDX化ブームも社内でもスムーズに浸透しています。その過程で僕の使ってるツールを紹介していきますね。
クラウドサービス(データ管理)
最初に導入したツールがGoogleAps(現Googleworkspace)です。それまで紙資料をファイリングしていましたが、場所がかさむし資料探しにも手間がかかったので、PDF化してクラウド上で見れるようにしました。セキュリティーの問題も解決できるし、いつどこにいても保存した資料を見ることができるので、非常に便利になりましたね。
アカウント料金もサービスの質から考えるとかなりの激安なところもいいですね。
Google認定業者と提携しているので導入したい方はコチラへ
コミュニケーションツール
Googleworkspaceでも「Googlemee」で簡単にビデオ通話ができますが、日々の保険代理店内でのコミュニケーションに課題を感じて導入したのが、ChatWorkでした。
使い勝手考えるとかなりコスパもいいです。なんといっても「ビジネスを加速する」のコピーに惹かれましたね笑
CRM
CRMとは(Customer Relationship Management)の略語で、顧客関係管理や顧客管理と同義になります。保険会社のシステム内だと契約情報は便利に見れますが、独自の情報やデータを保存することが困難でした。
また、ただのデータベースではなく営業活動に活かせるデータベースにしたいと思い、システム導入に至りました。当初導入したのがZOHOCRMで2021年から導入したのがHubSpotです。
営業ツール
お客さんとのコミュニケーションをもっと効率よく密にしたいと考えて導入したのが「LINE公式アカウント(旧LINE@)」です。誰もが使ってるLINEなので導入企業も増えていますし、無料で始められるので当社も導入しました。
ただ、使ってるうちにできることできないことがはっきりしてきて、物足りなさを感じてしまいました。保険代理店として成果につなげるツールにしたいと情報を集め、Lステップを導入することにしました。
これが大当たりで営業ツールとしてはかなり質が高いです。ただしキチンと使いこなすのが前提。使いこなすにはそれなりに知識とスキルが必要になるため、有料講座でしっかり学びました。現在では、Lステップの構築運用代行案件を事業として引き受けるまでになりました。
コロナ禍の緊急事態宣言で当社も感染防止策として在宅勤務を実施しました。その時に課題としてあったのは在宅時の入電対応。営業スタッフは携帯があるからいいけど内務スタッフは電話するにも個人の携帯をオープンにするわけにもいかず、事務作業中心となってました。
そこでクラウド型の電話を導入するに至ったのですが、当社が導入したのはdialpad
集客ツール
保険代理店も徐々に非対面での保険募集が可能になってきてる中、集客をどうするか課題として挙がりました。今まで属人性の高い集客だった保険代理店営業スタイルからネットを活用した集客を実現しようとホームページのリニューアルすることにしました。
業者に依頼すると安くても30万円〜の費用がかかり、大掛かりなサイト構成だと100万円以上するケースもあります。当社では僕は全て製作にあたりました。自分でできればかかる費用は毎月1,000円以下、製作費も20,000円以下に抑えることができます。
下に僕の使ってるツールを一覧で教えますね。
保険代理店がDX化するときのポイント
保険会社もDX化を推し進める中、日常業務に変化が訪れ、保険代理店もさまざまなITツールを導入し始めました。しかしながらほとんどのケース導入して満足している保険代理店のトップは少なくありません。現場は新しい業務が増えて、効率化のためのITツールが逆に負担になってしまってる、なんて声もよく聞きます。
- 現場の困った・めんどくさいを吸い上げる
- 業務の設計図(全体像)をまとめてDX化する業務を明確にする
- 抽出された課題問題を解決するツールを探す
- IT素人でも使いやすいかどうかを見極める
- 最初は低コストで始める
- 使ってみて使用感などを社内で共有する
- PDCAを繰り返す
主にITツールを使うのは現場の保険セールスや内務スタッフです。現場の声を吸い上げて改善するツールであれば、率先して活用してくれるし課題が出れば、現場サイドで解決に向けて思考します。
トップダウンで「今日からこれ使え」って言われて、やらされ感で使用しても従業員は手間が増えたとしか感じません。現場サイドとのコミュニケーションが大事です。
保険代理店のDX化による意外な効果
ここまではDX化による実際の業務に関わる効率化だったり生産性向上の話でした。
ある程度社内のIT環境が整ってくると、保険代理店業務のほとんどがリモートでできるんじゃないかってことに気づきます。
そこで当社の取り組みの中で一つの課題を解消することができました。
さて、保険代理店の運営において誰もが課題として抱えているは求人と教育。求人出してもなかなか応募が来ない、いい人材が集まらない、教育に時間と手間がかかる、せっかく育てたのに辞めてしまった、などなど
このような課題を抱えている保険代理店も少なくないですよね。地方であればあるほど難しくなっています。
この保険代理店における求人を解決するのがDX化の推進となります。
当社の事例になりますが、
- 業務は全てクラウド上で行う
- 社内のコミュニケーションツールも整っている
- 顧客とのコミュニケーションツールも整っている
- 会社への入電は在宅でもパソコンで受けることが可能
ということは、完全在宅勤務のスタッフを雇用することも可能となり、全国に求人を出すことができます。
※情報管理の観点での課題も解決済みです。
そこで在宅勤務希望者が集まる求人ポータルサイト「ママワークス」にて求人応募をかけました。
DX化を推進し構築されていくことで、人材確保の分野でも保険代理店運営の課題解決に繋がります。
詳細聞きたい場合は当社にお問合せください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?当社の導入したITツールや過去調べて触れてきたITツールを中心にお話しさせていただきましたが、保険代理店のDX化に向けて参考になりましたでしょうか?
昨年、マイクロソフトのサティア・ナデラ氏の言葉で
2年のデジタル革命が2ヶ月でやってきた
まさにこれからデジタル革命が急速に進み、新たなITツールが登場してきます。常に業務改善と向き合うのと同時に情報を仕入れるスキルも必要となってきます。
最後になりますが、DX化の強みとして便利に感じることは、同じITツールでも1年後はまったく別物になるくらい進化していくということです。
導入したITツールで「これができたらなぁ、こういうことできないのかなぁ」もアップデートを繰り返すうちに解消されることもあります。今日できないことが明日できるようになる、こんな事例も数多く経験してきました。
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