不動産投資の手法の中でも一般的に広く知られているものとして、「アパート経営」があります。
アパート経営にはどんなイメージをお持ちでしょうか?
自分自身が体を使って働かなくても収入を得られる、いわゆる「不労所得」を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。
たしかにアパート経営は、しっかりとしたリサーチの上で計画を立てて実行することで、定期的な安定収入になる可能性があります。
でも決して「何もしなくても収入が得られる」わけではありません。
ここからは、アパート経営で不労所得を得るためにはどんなことに気をつけたらよいのか。アパート経営の基礎知識からひも解き、わかりやすくお伝えしていきます。
アパート経営の基礎知識
アパート経営とは、購入または建設したアパートの部屋を第3者に賃貸して、「家賃」という形で収入を得る投資方法です。
「投資」とはいっても、あくまでも「経営」です。
アパートを購入・建設した後、貸し出したら終わりではなく、アパートの「管理」が大切な業務のひとつになります。
- 中古物件を購入し、リノベして貸し出す
- 新築で建てて貸し出す
- サブリース契約で運用する
また、アパート経営を行う際にとても重要なのが「利回り」です。
ここからは「アパート経営3つの選択肢」と「利回り」について、くわしくご紹介していきます。
アパート経営①中古物件を購入しリノベして貸し出す
アパート経営の1つめの選択肢は、中古物件を購入しリノベーションして貸し出す方法です。
日本では新築物件が好まれる傾向にあります。しかし近頃では、昔に比べるとリノベーション技術が格段に向上しています。
割高な新築物件よりも、リノベーションした中古物件を選ぶ人も増えているようです。
リフォームとリノベーションの違いは以下のとおりです。
リフォーム | 物件を新築時の状態に戻す |
リノベーション | 間取り・内装を大きく変更、最新設備を導入するなど、魅力的な付加価値を加える |
この手法を取る場合は、リノベーションに強い不動産会社のサポートを得られるかどうかが重要なポイントになります。
アパート経営②新築で建てて貸し出す
アパート経営の2つめの選択肢は、新築でアパートを建てて貸し出す方法です。
- 立地や建築設計を自分で選べる
- ローン審査が通りやすい
- 買い手が付きやすい(売却しやすい)
このようなメリットもあり、新築アパート投資は不動産投資の中でも人気な手法です。
ただし、施工会社によって物件の品質に大きな差が出ることも考えられます。
また新築アパートは、中古物件と比べて入居率が予測しづらいというリスクもあります。
アパート経営③サブリース契約で運用する
アパート経営の3つめの選択肢は、サブリース契約で運用する方法です。
サブリース契約とは | 不動産の管理会社がアパートをオーナーから一括して借り上げ、入居者に又貸しをするアパート管理形態 |
管理会社にアパートの管理を任せることができ、その上空き部屋の有無に関係なく賃料を保証してもらえるという大きなメリットがあります。
しかし実際には、このサブリース契約の賃料減額をめぐるトラブルも発生しています。
契約する前に必ず納得できるまで説明を受け、リスクを十分理解するようにしましょう。
参考:サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!-消費者庁
アパート経営の利回りとは?
アパート経営を行う際は、利回りについて十分に理解し意識することが大切です。
表面利回り | 年間の家賃収入÷アパート購入価格×100 |
実質利回り | (年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(アパート購入価格+購入時の諸経費)×100 |
不動産投資においては、実際の利回りに近い「実質利回り」を重視しましょう。
条件によって違いはありますが、実質利回りの目安は最低でもおよそ3%と言われています。しかし利回りが何%なら安心だ、と断言できるものではありません。
不動産情報を読み解く上で、「利回り」は重要な基礎知識です。
アパート経営の計画を立てる際は、ぜひこの数字を意識してみてください。
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アパート経営で不労所得を得るメリット
アパート経営のメリットとして一般的なものを、3つご紹介します。
- いわゆる「不労所得」で資産の形成ができる(長期的な安定収入)
- ローンの活用で収益性を高めることができる(※レバレッジ効果)
- 相続税対策にもなる(建物は本来の評価額よりも低い「固定資産税評価額」で評価される)
※レバレッジ効果とは | ・「テコの原理」のこと (小さな力で大きな物を動かす) 例) 自己資金:1,000万円 + 金融機関からの借入金:4,000万円 ↓ 自己資金のみ1,000万円の物件を購入した場合と比べて、借入金を含めた5,000万円の物件を購入した場合、同じ利回りでも収益は5倍になる |
アパート経営で不労所得を得るデメリット
アパート経営で不労所得を得る場合のデメリットのうち、主なものを3つご紹介します。
- 物件購入後も、設備を保つための管理費用と手間がかかる(入居者がゼロでも)
- 老朽化による資産価値の低下(資産価値を下げない努力が重要)
- 自分ではコントロールできない災害により、ローンだけが残ることもある
しかしこれらのデメリットやリスクは、きちんと備えることで回避することができます。
こちらの記事で、アパート経営を含めた不動産投資のリスクを補うためのヒントをまとめております。ぜひご活用ください。→不動産投資リスクを最小限に抑える!3つのポイント
アパート経営で気をつけること・注意点
アパート経営にはデメリットもありますが、リスクを正しく知り丁寧に準備をすることで回避することが可能です。
その上で、以下の3点についても注意点として頭にいれておくと良いですね。
①「頭金なし」はリスクが高い | ・ローンの審査に通りにくい上に、通ったとしても金利が高くなる可能性が高い |
②確定申告を正しく行う | ・アパート経営を行う場合、毎年確定申告を行う必要がある →忘れると(故意ではなくても)ペナルティがある |
③脱サラは慎重に | ・一時的に安定して不労所得が得られていても、今後の安定が保証できるものではない |
アパート経営による資産形成を成功させるコツ
アパート経営を、「資産形成」の手段として成功させるためのコツをいくつかご紹介します。
①良質な物件を選ぶ | ・資産価値が下がりにくい |
②信頼できる不動産会社を選ぶ | ・空室リスクや滞納リスクの回避 |
③分散投資をする (資産に余裕がある場合) | ・物件のエリアやタイプを分散することによるリスク分散 |
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【まとめ】アパート経営の不労所得で資産形成をはじめましょう!
この場合、信頼できる不動産会社と担当者を見つけ、物件の管理を安心して任せられることが重要なポイントとなります。
そして、たとえ管理は任せることにしても、契約内容や物件の状態を常にご自身で理解されていることが大切です。
少しでも不安があれば、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
正しい選択を積み重ねていくことで、アパート経営での資産形成は成功に近づきます。
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