社会保険労務士 田巻訓一です。
企業さま向けに有益な情報を提供していきます。
先日、この過重労働解消キャンペーンの取り組みとして行われた「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果が発表されました。
今回の相談件数は合計367件で、主な相談内容は、長時間・過重労働が136件(37.0%)、賃金不払残業が110件(29.9%)、パワハラが28件(7.6%)となりました。
そして、相談者の属性を見てみると、労働者が200件と全体の5割強、労働者の家族についても106件と、28.8%を占める結果となっています。
労働者本人だけでなく、家族からの相談も非常に多いことが分かります。
ちなみに、業種を見てみると、多いものから順に保健衛生業、商業、製造業となっています。
主な相談内容である「長期労働・過重労働」は電通の事件でも認知が進みましたが、労働者の身体に大変影響があるため、国も対策と管理を強化しています。
「賃金不払残業」も相変わらず多いですが、日本においては終身雇用の流れにおいて、サービス残業をしないと出世しない、上司に怒られるなどの習慣が労使ともに根付いているように感じます。
「パワハラ」についてもどこまでがパワハラなのかという問題はさて置き、常識の範囲内、客観的に見て問題ある言動は控えないといけないですね。
相談事例 ※リンク先下部
ともあれ、使用者と労働者は契約でなっており、対等な関係であります。
労働基準法が業種問わず一律なのも問題あるかと思いますが、アメリカ社会のように、法に訴えることが一般的になりつつあると実感しています。
これからの経営者はある程度法律を理解した上で、労使の関係を築くことが必須となるでしょう。
平成29年1月20日には「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が策定され、改めて労働時間の把握の重要性が高まっています。
今後、時間外労働の上限規制についても法整備が進むことが想定されます。
さらに一層、過重労働等の解消に向けた取り組みを進める必要があります。
それでも起きてしまうことは多々あると思います。
会社を守るための一つの手法として就業規則の見直し。
ただ形として作成するのでなく業種や環境に応じて作成し、労働者に周知させることでリスクの軽減に繋がります。
そして、もちろん就業規則だけでは万能というわけではありません。
内部留保での対応資金も必要ですが、保険という形でのリスクヘッジも必要だと感じています。
また別の機会にその具体策と効用はお伝えしたいと思います。
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