
出産や子どもが増えるタイミングは、うれしさと同時に「保険、このままで足りるんだろうか」という不安が一気に浮かんでくる時期。実際、この時期に見直し相談を持ちかける人はかなり多い。ただ、不安に押されて保障を増やす前に、先に見ておくべきことがある。
- 「子どもが増えたら保険も増やす」が正解とは限らない理由
- 必要保障には増える時期と減っていく時期がある
- 商品を比べる前に整理しておきたい4つのポイント
- 焦って決めない方がいいケースの見分け方
出産や子どもが増えると不安が大きくなるのは自然なこと
出産準備、育児のスタート、働き方の変化。考えることが一気に増える時期に、周りから「学資保険どうする?」「死亡保障は増やした方がいい」といった話も入ってくる。情報が多いぶん、比べようと思えばいくらでも比べられるが、比べる前提が整理できていないと結局「どれも必要そうに見えて動けない」状態になりやすい。
大事なのは、何を選ぶかより先に、何のために備えたいのかを見ておくこと。
「家族が増えた=保険を増やす」は必ずしも正解ではない
子どもが生まれたからといって、自動的に保険を増やせばいいわけではない。見直した方がいいケースはもちろんあるが、それは「子どもが生まれたから」だけで決まる話ではない。
- 毎月の生活費の水準
- もしもの時の配偶者の働き方
- 勤務先の保障や公的制度の内容
- すでにある貯蓄でどこまで対応できるか
- 住宅費など固定費の負担
この前提を見ないまま「不安だから多めに」と決めると、保障が必要以上に大きくなるケースも珍しくない。
必要保障には「増える時期」と「下がっていく時期」がある
保険を考えるうえで最初に押さえておきたいのが、必要な保障はずっと一定ではないということ。子どもが小さいうちは、これから先の生活費・教育費が長く続くぶん保障は大きくなりやすい。逆に子どもの独立が近づけば、最初と同じ保障は必要なくなっていく。
つまり多くの家庭では、必要保障が「小さいうちに大きく、成長とともに下がっていく」流れをたどる。この流れを見ずにずっと大きな保障を持ち続けると、必要以上の保険料を払い続けることになる。ここで見ておきたいのが必要保障のピーク。「いちばんお金が必要になる時期はいつか」を先に確認しておくということ。
商品を比べる前に整理したい4つのこと
毎月の生活費の最低ラインを知る
もしもの時に最低限必要な生活費を把握しておくと、備えるべき金額の土台が見えてくる。
配偶者の働き方を前提にする
もしもの時、配偶者がどんな働き方を続けられそうかによって、必要な保障は大きく変わる。
教育費がかかりそうな時期をざっくり並べる
入学・進学のタイミングをざっくりでも並べておくと、いつ支出が重なりやすいかが見えてくる。
足りない期間だけを保障で埋める
貯蓄や公的保障でまかなえる部分を差し引いて、足りない期間・足りない金額だけを保険で埋める発想に切り替える。
相談の現場で感じるのは、不安が大きいほど判断が難しくなるということ。勧められるまま加入して保障の目的がずれていたケースもあれば、必要以上の特約がついて保険料が重くなっていたケースもある。逆に、家計やライフプランごと整理してみたら必要保障は思ったより絞れて、その分を貯蓄に回せたというケースも珍しくない。
保険を減らすのが正解という話ではない。必要な家庭には、ちゃんと必要な保障がある。ただ「なんとなく不安だから増やす」のと「根拠があって備える」のとでは、あとで感じる納得感がまるで違う。
こんな状態なら、増やす前に一度立ち止まる価値がある
- 妊娠中、または出産後まもない
- 2人目・3人目をきっかけに見直しを考えている
- 配偶者の働き方がこれから変わりそう
- 今の保障がいつまで必要なのかよくわからない
- 保険料が家計を圧迫しそうで不安
- 今入っている内容を自分の言葉で説明しにくい
※公的な遺族年金などの制度内容は執筆時点の情報。今後の法改正により変更される可能性がある。
出産や子どもが増える時期は、少しでも安心したくて保障を厚くしたくなる時期。それ自体は自然なこと。ただ本当に大切なのは、とりあえず増やすことではなく、自分たちの家庭に合った備え方を整理すること。
いつまで必要か、どのくらい必要か、保険で備えるのか貯蓄も含めて考えるのか。この順番で見ていくと、見え方はかなり変わってくる。焦って決める必要はない。まずは必要保障が大きくなりそうな時期を見てみることから。
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