老後の資金に不安を感じている、という方は多いのではないでしょうか。
とくに若い世代は「年金がもらえるかどうかも不安」「貯蓄を作るのは無理」と考える方もいます。
そんな中、一体どのくらい資金があれば老後を過ごすことができるのか、どうやって資金を確保すればいいのかなどを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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老後に必要な資金とは
そもそも老後には、いったいどのくらいの資金が必要なのでしょうか。今は安定した職種であっても、定年退職後には収入はかなり減ってしまいます。とくに若い世代は「いくら払っていても年金が本当にもらえるかわからない」と不安に感じている方も多いでしょう。
老後に必要な資金を完全に知ることはできませんが、最低限必要な支出を考えて目安を知っておくことで、年金生活になるまでにどの程度貯めておく必要があるのかを知ることができます。
最低限必要な金額を考えよう
老後に最低限必要な金額とは、いったいいくらくらいなのでしょうか。まずは、最低限どのような支出があるのかを知ることが重要です。
老後に必ず必要になるのは、住居費、光熱費、食費などといった生活費です。
住居は持ち家であれば家賃は必要ありませんが、毎年固定資産税などの税金はかかってきます。借家であれば当然月々の賃貸料が必要です。
また、服や靴にもお金がかかります。衣食住は欠かせないのはもちろんですが、年を取るにつれて医療費も多くかかるようになるでしょう。車で出かけるにしても電車やタクシーを使うにしても、交通費も必要になってきます。
それらの条件を考えると、地域によって違いはあるものの夫婦二人で大体月々25万円前後が必要になってきます。
さらに冠婚葬祭やお世話になった人への中元・歳暮、ちょっとした旅行や趣味・娯楽のための出費、時には介護や通院のために家のリフォームや引っ越しも必要になるかもしれません。
そのため、最低限必要な出費に加えてある程度まとまったお金が毎年のように必要になります。
一般的には、夫婦2人でゆとりある生活をするためには月々35万円くらいは必要となっています。
年を取ってから払う税金
年金生活になれば税金は払わなくてよく、引かれる分がないから大丈夫だと考えてはいませんか。
実は、年金からも市民税や町民税などが引かれ、さらに所得税も引かれてしまいます。
また、それだけではなく会社を辞めるために社会保険から国民保険にする必要があり、保険料も必要になるでしょう。
そのほか、介護保険料も支払う必要があります。つまり、衣食住にかかるお金だけでなく、年金から引かれる税金も考慮して老後資金を考える必要があります。
公的年金と私的年金
老後資金を考えた時に、真っ先に思い浮かべるのが年金でしょう。祖化し、年金は公的年金と私的年金があり、その中でもさらにいくつかに分けられていることはご存じでしょうか。
ここでは老後にどの程度資金が必要になるかを知っておくためにも、自分のもらえる年金を把握しておきましょう。
公的年金の種類は?
まずは、公的年金にどのような種類があるのかを知っておく必要があります。
公的年金の種類は
- 老齢基礎年金
- 障害年金
- 国民年金
- 遺族年金
の四つです。
中には受け取れる条件を満たしているにもかかわらず、知らなかったり手続きができていなかったりしたために受け取っていないということもあります。一つずつ詳しく解説するのでどういった年金なのかをきちんと把握しておきましょう。
公的年金① 老齢基礎年金
公的年金の一つ目は、老齢基礎年金です。老齢基礎年金は65歳から支給される年金であり、国民年金加入者が受け取ることができます。
40年間保険料を払っていれば満額での受け取りが可能で、年間780,900円です。厚生年金加入者の場合は、老齢厚生年金が支給されますがその額は厚生年金の加入期間や平均給与によって変わってきます。
基本的には10年以上の納付期間があれば受け取れるものであり、必ずしも65歳から受け取らなくてはならない、というものではありません。
60歳から70歳までの間は、繰り上げ受給をすることも繰り下げ受給をすることも可能です。ただし、受給年齢を早めたり遅らせたりする場合には、もらえる金額が変わることを覚えておいてください。
公的年金② 障害年金
障害年金の場合は、障害を負ったときからもらえる年金です。
とはいえ、受給を受けるには一定の要件を満たす必要があります。保険料の未納期間が長すぎると受給できない場合もあるので、注意が必要です。
公的年金③ 国民年金
国民年金は、保険料さえきちんと納付していればすべての人がもらうことができます。
自営業の人だけがもらえる、と勘違いされることもありますが、会社員や専業主婦も給付対象です。
会社員はこの国民年金に加えて、厚生年金ももらうことができます。
公的年金④ 遺族年金
遺族年金は、家計を支えていた方がなくなった場合に残された配偶者や子供が受け取れる年金です。
ただし条件がいくつかあって、基本的には18歳未満の子供がいる場合に受給できるようになっています。
私的年金の種類は?
公的年金にいくつかの種類があるように、私的年金にもいくつかの種類があります。
私的年金の種類は
- 企業年金
- 確定拠出年金
- 個人年金保険
- 国民年金基金
になります。どのような年金七日、一つずつ詳しく見ていきましょう。
私的年金① 企業年金
企業年金とは、企業が福利厚生の一環として準備しているもので、企業が民間に運営を委託しているところがほとんどであり、企業によって年金の金額やシステムは違ってきます。
現在は制度自体廃止され、過去の積立分が年金として支払われていますが、破綻している企業年金機構も少なくなく、非常に悔しい思いをした方も多いのではないでしょうか?
私的年金② 確定拠出年金
確定拠出年金は企業年金の一種であり、企業が民間の会社に委託する企業型確定拠出年金と個人的に運用が可能な個人型確定拠出年金があります。
公務員や会社員だけでなく、専業主婦も加入することができる年金です。税制での優遇が受けられる、所得税が控除されるなどいくつかの利点があるので、ぜひ一度調べてみてください。
「企業型確定拠出年金を導入すべきか?メリットとデメリット」
私的年金③ 個人年金保険
個人年金保険は、保険会社が取り扱っている商品の一種で、さまざまな内容のものがあります。
ただし基本的には同じであり、一定の金額を満期まで払い続けることで、少し上乗せした金額が毎月もらえるようになるという商品です。
公的年金だけでは将来が不安という方が、よく契約する保険商品です
私的年金④ 国民年金基金
国民年金基金は、国民年金と混同されがちですが実は別物です。
国民年金の加入者であれば入ることができ、国民年金に上乗せして支払われます。
掛け金は、口数を決めて支払います。国民保険だけでは不安、という方が加入する保険です。
事前に貯めておこう
老後に必要となる資金は人それぞれですが、ほとんどの人が年金だけでは足りなくなってしまうと予想されています。
とくに寿命が延びてきたこともあり、定年退職後から100歳まで生きたとしたら、第二の人生といってもいいほど長い時間があるでしょう。
そんな時、お金が足りなくて趣味を楽しむこともできない老後を送ることのないように、働ける間に事前に貯めておくことが重要です。
財形貯蓄
財形貯蓄は、会社勤めである場合給与から天引きされます。
意識しないでも確実に月々貯めることができるので、老後の資金としては財形貯蓄を利用するというよりは、有事の際の資金としてとっておくのに向いているかもしれません。
NISAを利用
NISAは、いわゆる株式投資です。
具体的には運用益が非課税になるために、ある程度投資の知識があればコストを抑えることのできる非常に魅力的な制度です。
非課税になるのは120万円以下と決められているので、範囲内で利益を出せるようならぜひ挑戦してみてください。
また、つみたてNISAも利用者が増えてきました。長期積立投資で投資の知識がない初心者でも、資産形成がしやすくコストを抑えることもできるので、こちらも活用してみてください。
NISAとつみたてNISAは併用ができないので、どちらかを選択するしかないのでご注意ください。
保険金
生命保険や医療保険など様々な種類の保険がありますが、事前にかけておくことで、老後の資金として活用できる保険もあります。また、特に医療保険は早いうちに加入しておくことで、年を取ってからより必要となるでしょう。
iDeCoを利用
iDeCoという言葉だけは聞いたことあるって方も多いですが、詳細まで理解している人はまだまだ少ないですね。
前述の確定拠出年金が「企業型」に対し、iDeCoは「個人型」の資産形成となります。
個人事業主向けのイメージがありますが、今では主婦でも加入できるようになってます。
ただ、60歳までは一切引き出せない、解約できないなどの制約もあるので注意です。
「今さら聞けない【iDeCo】の基本の話/iDeCoの始め方」
老後の収入源を考えておこう
老後には年金以外にどのような収入源があるのかをきちんと把握しておきましょう。
「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、どのようにして稼げるのかを知っておくことは大切です。
退職金
老後の収入として、まとまった金額が入ってくるのが退職金です。
会社を定年退職した後に支払われるもので、会社や勤務年数などによっても大きく違ってきます。
給与
定年後も働ける場所を見つけることは、そう難しくはありません。職種によっては「60歳以上」を募集しているところもあります。
また、シルバー人材として働けるところもあるので、年金のほかに給与が必要だというときには、年齢などの募集要項をよく読んでおきましょう。
豊かな老後を送るための注意点
豊かな老後を送るためには、資金を貯めておくだけではいけません。
貯めるのと同じくらい、出ていくお金も大切です。
とはいえ老後の生活にはいくつかの注意点があるので順にみていきましょう。
子供や孫に支援しすぎない
子供や孫を支援したい、そう考える祖父母は多くいるでしょう。
しかし、支援しすぎると自分たちが暮らすためのお金が無くなってしまいます。
税金がかからない制度などもありますが、何より大事なのは老後資金を使い果たさないという点です。
支援をする前に、いくらまでであれば問題ないかをきちんと計算しておくといいでしょう。
長期で計画を立てる
老舗資金を残しておくためには、かなり長期的な計画をしておくことが大切です。
とくに病気一つしたことがない、という方などはシミュレーションをするときに100歳まで生きるかもしれないということを考慮に入れて計画するようにしてください。
実際にはどの程度のお金が出ていくのかをしっかり把握して、イベントや趣味・娯楽までやりたいことを我慢する必要がないようによく考えてからにしてください。
まとめ
老後資金はどのくらいいるのか、わからなくて不安という方もいるでしょう。
実際にどのくらい生きるのかによって、老後に必要とする資金委は大きな差が出てきます。
しかし、若いうちから少しずつでも貯めておくと豊かな老後を迎えることができます。
たくさん貯めて豊かな老後を送るために、今できる最善のことをしましょう。
年を取ってからもらえるお金だけでなく、出ていくお金をきちんと把握しておくことが重要です。
そして、年を取ったからと遊びまわることもなく、堅実に収入を増やして支出を抑えるようにしましょう。
ぜひ、この記事を参考に老後資金を貯めるように心がけてください。
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